TOP HAT
11月17日 17:30開演 東急シアターオーブ
歌上手い、スタイル良し、最初から期待しかなかったミュージカルスター坂本昌行主演のこの舞台。
結果としては期待を裏切らない素晴らしいミュージカルでした。
今公演「TOP HAT」に寄せて
坂本くんの舞台を見るのは「MURDER for Two」「TWENTIETH TRIANGLE TOUR 戸惑いの惑星」「君が人生の時」と4度目。
しかし、どれもミュージカル作品ではなかったのでミュージカルスター坂本昌行を見るのは初めてでした。
まあ厳密に言うとMURDERはオフ・ブロードウェイだけど二人芝居なので除外ということで(^_^;)
この公演「TOP HAT」は2015年に宝塚歌劇団宙組によって公演されたもの。
まぁ様(朝夏まなと)とみりおん(実咲凜音)のまぁみりコンビのお披露目でしたね。
この当時、まぁ様の前トップかなめさん(凰稀かなめ)が退団し、すっかり気が抜けてしまったので観劇はしてないのですが(^_^;)*1
その後、すぐに来日公演が終わり、ありゃりゃと思ったことを覚えています(笑)
まぁ様(朝夏まなと)が演じた役をまーくん(坂本昌行)が演じていると思うとややこし…面白いですね(笑)
坂本昌行(ジェリー・トラヴァース)
期待MAXで臨んだまーくんのジェリー。見事期待を裏切ることなくカッコ良いジェリーでした。
強いて言うならバッチリメイクの多部ちゃんデイルとほぼ化粧なしのまーくんジェリーの年の差が気になったことぐらいかなw
多部ちゃんがしっかりメイクしてるんだからまーくんもちょっとぐらいしたら良いのに…と思ったぐらいです。ただでさえ20ぐらい年の差あるからね(^_^;)
劇中ではデイルに猛アタックするジェリーですが、自分に自信があってキザなところもたくさんあって…普段のまーくんじゃ考えられないキャラクターですよね(笑)
そんな自分とは真逆と言って良い役でしたが、違和感はありませんでした。
まーくんは一度役を入れると入り込む(所謂憑依型)役者なのかもしれませんね。
ブロードウェイミュージカルって華やかだけどまーくんは身長あるしスタイルも良いし歌も上手いし文句なしでした。
特に、主役が上手いと安定感ありますよね。
まだまだミュージカルスター坂本を見ていたいなと思いました。
多部未華子(デイル・トレモント)
実は、多部ちゃんにはあまり期待を持っていませんでした。
と言うのも、ポスターを見た時にあまりヒロインっぽくないなと。どっちかと言うと悪女って感じ
しかし、実際に舞台を見てみるとしっかりヒロインになっていました。これぞ役者魂なのかなと。
多部ちゃんのヒロインたらしめていたところは、声作りなのかなと思います。
デイルを作る上で、多部ちゃんは声を高めに作っていました。
声を高めに作ると、キンキンしてセリフが聞き取りずらくなりがちだけど、多部ちゃんの声はそんなこともなく。これに関してはむしろ坂本さんの方が危なかったぞ( ̄▽ ̄;)
ちょっと気が強くて、でも一瞬でジェリーに落とされる脆いところも絶妙に演じていたなと思いました。
もう1つびっくりしたのは歌も上手いということ。
今まで多部ちゃんの歌を聞く機会はなく、舞台、とりわけミュージカルに立つイメージもなかったので、そこまで期待はしていませんでした。
しかし、聞いてみると、普通に上手いじゃん!!
今回一番驚かされたのは間違いなく多部ちゃんだなと思った公演でした。と、同時に多部ちゃんへの自分の評価も随分変わりました。
屋良朝幸(アルベルト)
胡散臭いイタリア人衣装デザイナー役の屋良くん。個人的にらすっかり舞台俳優のイメージな屋良くんでしたが、その実力は見事なもの。
驚かされたのは歌声。ジャニーズというアイドル事務所(最近ではそうでもなくなってきたけど)に在籍しながらすっかり舞台俳優の発声というところにまず驚きました。
出演者が高身長な中で164cmと一際小柄ではありましたが、存在感は決して薄れることはありませんでした。
このイタリア人アルベルトもデイルを求めて基本一人で突っ走るのですがこれが面白いのなんのって。
ほぼパンツで走り回るのってアルベルトぐらいですよ(笑)
歌も歌えるしダンスは嵐の曲の振り付けをするぐらいだからもちろん上手い、面白役も出来るとなるとジャニーズはとんでもない宝を隠してますよね。
もっともっとミュージカルで活躍する屋良くんを見てみたいと思いました。
朝海ひかる(マッジ)
元宝塚歌劇団トップスターのコムさん。
コムさんトップの時期の宝塚は知らないのであまりよく知っている方ではないのですが、ものすごい貫禄ですね。
ホントに男役やってたの?って。何か、専科*2役者っぽい貫禄を感じました。
マッジという役は結構お歳を召している(役の)印象を受けましたけど、気品があって美人なんですよね。
その辺の上品さを出せるのも元宝塚ならではかと。
マッジという役には強烈なインパクトを与えられました。
益岡徹(ホレス)
コムさん演じるマッジの夫。尻に敷かれた亭主です(笑)
コムさんの貫禄が凄いって言うのもありますが、それはひとえにホレスのダメ亭主っぷりも凄さから引き立たされてるんですよね。
奥さんに隠れて若い女の子を追いかけ、不意なことから結局自分でバラしてしまうことになり…笑
ちょっと可哀想ですが面白い役でした(*^^*)
浅野和之(ベイツ)
マッジとホレスの家の執事なのですが、ホレスと喧嘩をしたらしく、とても亭主に冷たい執事(笑)
無表情で冷たく亭主に仕掛けてくるのが本当に面白い。
デイルを尾行するように言われて水先案内人の紛争をしたらそれが法に触れるらしく、連行されてしまう不運っぷりは亭主の受け売りかしら( ´艸`)
とにかく面白い役でした。
まとめ
このTOP HATはブロードウェイミュージカルで、私はとにかく坂本くんの歌とダンスを楽しみにしていたのですが、それよりもとにかく笑わされた印象を持ちました。
構成を分けるとすれば、前半はタップ、後半は笑いですね。
今まで書いてなかったのですが、前半はこれでもかというほどタップが続きます。
前に見た宝塚歌劇団月組の「雨に唄えば」もタップがたくさん盛り込まれていたので、ブロードウェイはタップがデフォなんでしょうか?
それから、宝塚以外の舞台を見るといつも思うことですが、やはりダンス・歌(特に歌)のクオリティが高いですね。
特に、坂本くんと多部ちゃんのリフトは力強さがあって、やっぱり男性が持ち上げるリフトは違うなと思いました。
宝塚は宝塚の良さがあるんですけどね。
歌に聞き惚れダンスに魅せられ大いに笑わされ、とても楽しい舞台でした。
そう言えば、スペシャリティダンサーって日替わりなんですね。
二幕のピンクのスーツ着てキレキレに踊ってた人のことかな??